債務整理中に交通事故に遭う

特定調停で、調停委員のお二方が頑張ってくれたおかげで、調停も成立し、夜間のアルバイトをこなしながら、順調に借金を減らしていった僕ですが、とんでもない出来事に巻き込まれてしまいます。

ある休日のことです。その日は夜もバイトがなかったので、妻と二人で、車に乗って出かけることにしました。

目的地の手前の交差点で、信号待ちをしていると、ノーブレーキで僕達が乗る車に後ろから、軽のワンボックスが突っ込んできました。突然目の前が、真っ暗になったような気がして、何が起こったのか理解するのに十秒くらいはかかったように思います。

交通事故
写真はイメージです

ハッと我にかえり、あわてて車を降りてみると、僕の車後部には、軽のワンボックスが突き刺さるようにめり込んでいます。運転手はヘラヘラしながら車から降りてきて、「大丈夫ですか?救急車呼びますか?」と言ってきたので、「あたりまえだ!」と叫んだのを覚えています。

その後、この加害者はこの後会う予定だった友人に「俺、車オッペしちゃったから、ちょっと遅れるわ。」なんて他人ごとのように電話していました。

その後、助手席に回って見ると、放心状態でブルブル震えている妻の姿が目に入りました。彼女の目からは、止めどなく涙が流れていて、言葉にならないようなことをうわ言のように言っていたと思います。

その後、救急車で運ばれて、病院でひととおり検査を受け、骨と脳には異常はないようですということで、なんとか自宅へ帰ってきました。帰る道すがら、妻には何度も「大丈夫か?」と声をかけましたが、「なんともない。大丈夫だから」と言うので、とりあえず、ホッとしていました。

彼女は、あまりの出来事に気が張っていたのでしょう。なんともないというのは、まったくのウソで、その日の晩から何度もトイレに駆け込み、吐き続けました。

通った整形外科がヤブ医者

翌日からは、近所の整形外科へ二人で通い治療を受けました。僕の方は、軽いムチウチだったので、治療を受けるうちに良くなっていきましたが、妻の方は、食事をまともに摂ることができません。

普通の食事だと、飲み込む時に激痛が走るらしく、食べることができません。しかたがないので、流動食を与えてみても、すぐに気持ち悪くなって戻してしまいます。それでも、何か摂らないと体力が落ちるので、ウィダーインゼリーを箱で買って、それだけを飲んでいました。(それでもすぐ吐いちゃう)

そんな状態が1ヶ月も続いたため、妻の体重は、10キロも減ってしまって、ガイコツみたいな顔になってしまいました。

薬

そのうち、おかしなことを言い出すようになったので、不審に思っていました。どんな事かというと、さっき、あそこにいた人はだれ?とか、もちろん、家には僕達夫婦の他に誰もいません。

そこで、整形外科から処方されている薬をチェックしてみたら、今まで飲んでいたのと違う薬があり、そこには「ハルシオン」とありました。僕は、薬に関しての知識は全くないので、ネットで調べてみたら、睡眠導入剤とあります。

妻に問いただすと、事故の影響で眠れない時があると、医者に相談したらくれたので、飲んでいるとのことです。まったく知りませんでした。更によく調べてみると、意識が朦朧としたり、呼吸がしづらくなったり、さらには、幻覚を見る可能性もあるとなっています。現にこの前に、突然、過呼吸みたいな状態になって、救急車を呼ぶ寸前までなっていたことがありました。

僕は、医学についてはまったくの素人ですが、なぜ、いっしょに通っていた病院で僕になんの説明もなく、安易にそんな薬を出すのか腹が立ってなりませんでした。

そもそも、妻のむち打ち症は1ヶ月も通うのにまったく快方に向かっていないこと自体に不信感を持っていた時でしたから、僕はすぐにその整形外科に怒鳴りこみました。待合室に大勢の患者がいる中で、「今すぐ、うちの嫁にどんな治療をしたのか、カルテをすべて出してくれ!」と騒ぎました。向こうも落ち度があることを自覚しているのかわかりませんが、頑として、カルテをよこそうとはしません。そんな押し問答がしばらく続きましたが、埒が明かないのでしかたなく、今すぐ転院の手続きを取るよう言いつけ、そのヤブ医者のところを後にしました。

鍼治療

僕は、自宅に戻るとすぐにネットでむち打ちの治療のことを調べ、鍼灸が効果がありそうだという結論に至りました。幸い、当時住んでいたところに評判の良い鍼灸院があったので、すぐに電話をして、妻を連れて行きました。

妻の背中(ちょうど肩甲骨の間)は、プックリを盛り上がっていて、触ることは愚か、息を吹きかけても痛がるほど、パンパンになっていたため、すぐに鍼を打つことは無理でした。そこで、当面はお灸をすえて、徐々に鍼治療に入っていくという説明を受けました。

鍼治療の効果は、目覚ましいもので、1ヶ月も整形外科に毎日通っても悪くなる一方だった症状が、数日でまともな状態になってゆきました。

結果的に鍼治療のお陰で、妻のひどいムチ打ちは良くなりましたが、完全に治るまでには1年近くかかりました。

ホントは、こんなやりとりがある間も、もっと悲惨なこともあって、ここで公開しちゃって良いのか悩みましたが、書いちゃいます。

当時は、僕達夫婦はその事実を知らなかったのですが、どうやら、事故にあった時、妻は妊娠していたようです。

来るものが来ないことが気になっていたようですが、こんな状態ですから、なくて当然かと思っていたようですが、ある日ものすごい腹痛を感じて、トイレに駆け込んだところ、それまでに見たことないようなグロテスクなものが出てきたそうです。

お腹の痛みは、なんとか収まったし、それよりも背中の痛みのほうが辛いので、ムチ打ちの治療のほうを優先していたため、後回しになったが、やっぱりよくよく考えたら、あれは胎児だったと思うと打ち明けてくれました。

このサイトでは、借金問題で悩んでいる人を勇気づけたいと思って作り始めたので、なるべく暗い感じにしないつもりでいました。もし、これを読んで落ち込ませてしまったら、ごめんなさい。ただ、こんなことがあった僕たちでも、今、こうして元気にやっているんだ。「解決できない問題なんてないよ」ということを伝えたくて、あえて書きました。

交通事故で収入が激減

気分を取り直して話を元に戻しますが、事故からしばらくの間は、二人ともまともに働くことができませんでした。僕の方は、なんとか夜のバイトも続けましたが、今までのように週の大半を夜、家を空けることは難しくなりました。

妻の方も職を失い、定期的な収入がガクッと減ってしまいました。

貸金業者への支払いはもちろん、家のローンもだんだんと滞りがちになってゆきます。

交通事故の賠償金があるでしょ!と言う方もいるかもしれません。ところが、これが意外とうまくいかないもので、たとえば、病院に支払った治療費や通うための交通費などは、領収書を送れば、保険会社がわりとすぐに支払ってくれます。ところが、損害賠償については、すべての治療が終わってからじゃないと振り込まれません。妻は結局治療が終わるまで1年近くかかってしまいましたし、その間は、仕事もしないので金が出て行くばかりになってしまいます。

僕の方は、すぐに治療が終わり賠償金が出ましたが、もともと軽症なのでそれほど出るわけじゃありません。そのわずかな、賠償金も妻の症状を少しでもよくしたいと思って、温泉へ連れて行ってみたり、民間の治療器具を買ったりしているうちになくなってしまいました。

そんなこんなで、どんどんと家計は干上がっていくのですが、この頃の僕は、妻が早く良くなることを考えていたので、貸金業者からの督促もどうでもよいといったら、語弊がありますが、平気で「ないものはないんだ。欲しかったら、コッチへ来て家具でもなんでも持って行け」と言っちゃうようになっていました。

調停をしている頃は、あんなにビクビクしていたのに事故にあって、頭がおかしくなったのでしょうか?夫婦ともども命があることに改めて気づいて、借金なんか小さなことに思えたのか、とにかく、この頃、何かが吹っ切れたというか、考え方が変わったように思います。

そして、いよいよ最期まで守りたいと思っていたマイホームを手放すことになります。

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