【カードローン】住所変更の手続きを怠ったら全額一括返済請求?
ほとんどの人が読んでいないと思いますが、クレジットカードやカードローンを申し込むときには、規約や規定に同意した上で申請していることが前提になっています。
しかし、この規約というものは結構な曲者だったりします。
もしかして、作っている方も「どうせ誰も読まないんだから、いざというときこっちに有利になるように書いとくか!」みたいなノリで作っているんじゃないのという気がしてしまいます。
では実際にどんなことが書かれているんでしょう。
驚きのカードローンの規約
このローンの規約に書かれている文章をよく読んでみると、「えっ!そんなことでペナルティになっちゃうの?」ということも実際に書かれていたりします。
下の文章は、とある大手銀行カードローンの「ローン規定」です。
この規定の一部にはこのように書かれています。
第12条(即時支払)
1. 次の各号の事由が一つでも生じた場合には、当行からの通知、催告がなくても貸越元利金等の全額について弁済期が到来するものとし、借主は直ちに貸越元利金等を支払うものとします。
(中略)
(6) 借主が住所変更の届出を怠るなどの借主の責めに帰すべき事由によって当行に借主の所在が不明となり、当行から借主に宛てた通知が届出の住所に到達しなくなったとき。(中略)
3. 前項の場合において、住所変更の届出を怠る、あるいは当行からの請求を受理しないなど本人の責めに帰すべき事由により、請求が延着しまたは到着しなかった場合は、通常到着すべきときに期限の利益が失われたものとします。
この文章を読んだだけでは、今ひとつピンとこないので、ここで用語について簡単に説明しておきましょう。
上の文章中に「期限の利益」という言葉がありますが、これは法律用語で、「約束した期限が来るまでは返済しなくてもいいという債務者(お金を借りていいる方)の権利」を言います。
たとえば、50万円を借りていて、今月分の支払いの1万円を今月末に支払うことになっていたら、月末までは返済する必要はないということです。
逆の立場の貸している方から見ると、「今月は月末じゃなくて、25日に払ってください。」などとは言えないということです。
この期限の利益というものがあるから、お金を借りている方は安心して計画的に返済をすることができます。
ところが、上の文章には「請求が延着しまたは到着しなかった場合は、通常到着すべきときに期限の利益が失われたものとします。」とあるように、請求書がちゃんと届かなかったら期限の利益を失うことになります。
ということは、引っ越しをしてうっかりこのカードローン会社に新しい住所を知らせるのを忘れていて、古い住所に請求書が行ってしまったら、借りた金の全額を一括で返せと言われてしまうかもしれないのです。
利用者は不利な契約を結ばされている
実際にうっかり住所変更手続きを怠ったからといって、即全額返済しろという対応が常にされているわけではないでしょうが、規定にこう書かれている以上、もし全額返済しろといわれても利用者は何も文句は言えません。
もし、何かの手違いで返済金の引き落としができないことがあったとして、その直後に住所の変更手続きが遅れてしまったと仮定しましょう。
そこでカードローン会社が「こいつ、もしかしたらヤバいんじゃないか?今のうち全額回収しておくか。」などと判断されて、一括で支払えと言われたとしても、規約に同意したという証拠があるので、反論できません。
このようにカードローン等の利用者は、知らない間に不利な取引を結ばされています。
知らない間というと、語弊がありますね。カード会社では申し込み時に「利用規約を読んで、同意の上でお申し込みください」とうたっていますから、本当は読まない方が悪いと言われるかもしれません。
しかし、規約を丁寧に読んだら、ちょっとこの取引は公平ではないのではないかという意識が芽生えてしまいます。
結局は、こういう借金はしないことにつきますが、そうはいかないという場合でも、申し込み時には利用規約に目を通しておいた方が良いと思いますよ。
このカードローンの規約、じっくり読んでみるとけっこう突っ込みどころがありますが、全部見ていったらきりがないので今回はここまでにしておきます。また機会があったら記事にしたいと思います。