奨学金が返せないと給料差し押さえるって変じゃないですか?

先日、日刊ゲンダイの記事を読んでいたら、大学院生の40%以上が奨学金を受けて、進学していると書かれていました。

それじゃあ、大学生だったらどのくらいなんだろうと思って、ちょっと調べてみたら、公益財団法人の生命保険文化センターってところのWebサイトに、平成22年度のデータで、昼間部の大学生の約50%が奨学金を受けているというデータが、見つかったので、「あれ、大学院生より、大学生の方が奨学金借りてるんだ。」と一瞬思いましたが、こちらのデータでは、大学院生の約60%が奨学金を借りているとなってました。

調査する対象や人数で、変わってくるのでしょうが、ざっくり言って二人に一人くらいは奨学金で通っている感じなのでしょうか。

奨学金を受給している学生の割合
奨学金を受給している学生の割合

けっこう多いと思いますが、記事には奨学金の返済のためにフーゾクで働く、六大学出身者や大学院出身者もいるということですから、奨学金を受けてまで、大学を卒業しても、ペイしないってことになります。

かなり厳しい奨学金の取り立て

体を売ってまで、奨学金を返すとは、最近の若い人はきっちりしているのかといえばそうではなくて、奨学金の取り立てがかなり厳しいらしいです。

奨学金を提供している組織は「日本学生支援機構」というところらしいのですが、ここは以前は「日本育英会」というところでしたが、これが独立行政法人となって、今に至っているわけです。

独立行政法人となったことで、債権の回収が厳格化されたため、3ヶ月の滞納で個人信用情報期間に登録(いわゆるブラックリストに載せるってやつですね。)して、さらに滞納が続けば、債権を債権回収会社(サービサー)へ売っぱらうみたいなんです。

債権を買い取ったサービサーの方は、普通の民間会社でしょうから、普通に督促してきます。督促されて払えるくらいなら、そもそもそこまで、滞納し続けていませんから、普通は払えないでしょうね。

だからといって、サービサーの方もぼやぼやしていたら消滅時効にかかってきますから、裁判を起こして債務名義を取ります。つまり、いつでも差し押さえ可能な状態にしておくわけです。そうなると、今度は会社勤めをしていれば、給料を差し押さえるというということになります。

こうなってしまうと、よっぽど理解のある会社に勤めているのでない限り、普通の心臓の持ち主ならそのまま会社に通い続けるのは、きびしいでしょうね。

奨学金が普通の金貸しに成り下がった

今、話しているのは、消費者金融とかの金貸しのことではなくて、裕福でない人が大学で勉強をしようという志を持って、借りた奨学金の話です。

もちろん、借りたものは返さなくてはいけないのですが、大学を出て、しっかりした会社に就職しようと思ったのが、あてが外れたわけです。3ヶ月位返済が滞ったからといって、事務的に債権を売っぱらって、(損金で処理して)財務状況を健全な形に持って行こうって魂胆がいやらしいじゃないですか?

この国は、いつからこんな人情のない社会になったんでしょうね。このままでは、奨学金が返せなくなった方たちは、やられっぱなしで不憫です。もっと債務整理の手段について、レクチャーするような場を設けてあげたほうがいいじゃないでしょうか?

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