ネット通販サイトでよく見かける「○○パーセントポイント還元」というのがあります。
10%還元なんてのは当たり前で、20%とか30%還元というのもあって、これはお買い得だと思わずポチってしまう衝動に駆られるかもしれません。
でも、その前にポイント還元と普通の割引販売は違うということを知っておくと、より賢く買い物ができるようになるかもしれません。
10%OFFと10%還元は何が違うの?
では、話をわかりやすくするために実際にあなたが買い物をするときのシチュエーションを想定して見てみましょう。
かりに、あなたが1万円の商品を10%オフ(1割引き)で買ったとしましょう。
あなたが支払うお金は10,000円から10%分の1,000円を引いた9,000円です。
つまり、あなたは9,000円を支払って、10,000円分の価値を手に入れたといえますね。
では、今度は同じく1万円の商品に10%のポイントが還元された商品を買ったとします。
この場合は、あなたは10,000円を支払って、10,000円の商品を手に入れます。そしてさらに、1,000円分のポイントを手に入れます。
なので、あなたは10,000円を支払って、11,000円分の価値を手に入れたといえます。
この場合の割引率を計算するとこのようになります。(算数が苦手な方はスルーしてください。)
計算するとXは0.0909となるので、つまり10パーセントのポイント還元の割引率は「9.09%」ということになります。
10パーセントオフは、文字通り10%の割引率ですが、10パーセントポイント還元ほうが約1%割引率が低くなります。
たったの1%くらいはたいした差ではないと思った方もいるかもしれませんが、これが20%や30%だとどのくらい違うのか表にしてみるとその違いがはっきりします。
ポイント還元率 | 1万円に対しての割引額 | 1万円で手に入れた価値 | 割引率 |
1% | 100 | 10100 | 0.990% |
2% | 200 | 10200 | 1.961% |
3% | 300 | 10300 | 2.913% |
4% | 400 | 10400 | 3.846% |
5% | 500 | 10500 | 4.762% |
6% | 600 | 10600 | 5.660% |
7% | 700 | 10700 | 6.542% |
8% | 800 | 10800 | 7.407% |
9% | 900 | 10900 | 8.257% |
10% | 1000 | 11000 | 9.091% |
11% | 1100 | 11100 | 9.910% |
12% | 1200 | 11200 | 10.714% |
13% | 1300 | 11300 | 11.504% |
14% | 1400 | 11400 | 12.281% |
15% | 1500 | 11500 | 13.043% |
16% | 1600 | 11600 | 13.793% |
17% | 1700 | 11700 | 14.530% |
18% | 1800 | 11800 | 15.254% |
19% | 1900 | 11900 | 15.966% |
20% | 2000 | 12000 | 16.667% |
21% | 2100 | 12100 | 17.355% |
22% | 2200 | 12200 | 18.033% |
23% | 2300 | 12300 | 18.699% |
24% | 2400 | 12400 | 19.355% |
25% | 2500 | 12500 | 20.000% |
26% | 2600 | 12600 | 20.635% |
27% | 2700 | 12700 | 21.260% |
28% | 2800 | 12800 | 21.875% |
29% | 2900 | 12900 | 22.481% |
30% | 3000 | 13000 | 23.077% |
20%のポイント還元では3%以上、30%では約7%も差が出てきます。
たとえば、同じ商品をある店では25%オフで売っていて、他の店では30%ポイント還元で売っていたとしたら、25%オフの店で買った方が安いということになります。
これからは30%ポイント還元と表示があっても、実質23%オフなんだと思っていた方がいいですね。
ポイント還元の罠
ポイント還元にはもうひとつ落とし穴があります。
ほとんどの方はわかっていると思いますが、ポイントは次回消費してはじめて、その分トクをするということです。
ポイントを発行する店舗側の思惑としては、ポイントを発行することで次回の購買につなげようという囲い込み戦略があります。
やはりポイントを持っていれば、「使わなきゃ」という意識が働きますが、それは言葉は悪いですが、店舗側の戦略に乗せられているとも言えるわけです。
そして、多くのポイントには有効期限というものがあります。
私も経験がありますが、ポイントの有効期限が切れそうだったので、それほど必要でもないものを買ってしまったなんてことはありませんか?
そして、この買い物にもやっぱりポイントが付いてきます。それもまた使わないともったいないということで、さらに次の購買へつながる。。。
こんな風に無駄な買い物を重ねることで、気がついたらクレジットカードの支払いがきつくなっていたなんてことはよくある話です。
ポイントを還元してもらって、そのときは得した気になっても、よくよく考えてみたら、まんまと資本主義という蜘蛛の糸に絡め取られていたなんていうことにならないように気をつけていただきたいところです。

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