借金は増えるに従って不幸の度合いが減ってゆく

借金が増えるにしたがって、不幸に感じなくなるといったら、にわかには信じられない気がしますね。

この言葉は、格言というほどのものではないですが橘玲氏の「悪玖夢博士の経済入門」という小説にあったフレーズを一部引用したものです。この小説の中では、人々の相談に奇妙な風姿の博士が相談にのり、相談者に処方箋を出し、相談者の悩みを解決してくという内容になっています。(決して、ハッピーエンドでは終わりませんが。。。)

「借金が増えるにしたがって、不幸の度合いが軽減する」というのは、借金に悩んでいる青年が相談に訪れた時に博士から発せられた言葉です。

博士いわく、借金をして辛く感じるのは、その借金がどんどん増えていくことで、どんどんと損をしていく感覚が不安を増幅させるとのことです。

落ち込む様子この不安をなくすためには、2つしか方法はなく、ひとつは当たり前ですが、頑張って働いて借金をきれいに返済することです。

そして、もうひとつの解決法は、借金を増やすことです。

それも、中途半端な金額ではなく、到底返せないほどの金額まで。生きている間には返せるはずもない莫大な借金だったら、そのうち借金をしていることも忘れるだろうという理屈です。

小説の中では、この借金で悩む青年のもとに、不思議な少年が現れて、次々と(ほとんど詐欺みたいな手段で)借金を重ねていくというストーリーになっています。

ここで、勘違いしないでいただきたいのは、僕は決して、もっと借りまくれと言っているわけではありませんので、実行しないでください!

ただ、考え方としては面白いと思いませんか?

借金を延滞してしまうと、どんどんと延滞金がプラスされていきます。

そもそも、返済ができないで借金が減らないところへ、どんどんと金利や遅延損害金がついていって不安が増幅されるわけです。

でも、それもちまちまと増えているうちは「なんとか自力で返せるんじゃないだろうか?」といった思いと「でも、一体どうやったら返せるんだ?」といった思いの板挟み状態で不安に駆られます。

もし、これが逆立ちしても返せない(逆立ちして返せるなら返しますけどね。。。)状況になれば、「もうダメだ」ということで、腹をくくって(あるいは恥を忍んで)債務整理などの手段を取るしかないわけです。

この状態になれば、ある意味吹っ切れたところもあって、以前ほどの不安は感じていないんじゃないでしょうか?

借金は増えれば増えるほど、人間は開き直るようにできているのかもしれませんね。

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