自己破産すると選挙にいけなくなる?
この噂は、どこから出てきたのかわかりませんが、まことしやかにささやかれていたりします。
私も、債務整理を本気で考えるようになるまでは、選挙権がなくなると思っていました(恥)。もっとも、当時は選挙権がなくなっても、別に困ることはないと思っていましたが。。。
で、本当のところはというと、そんなことはまったくありません。
確かに昔(戦前の話です)は、自己破産者が選挙権を剥奪された時代はありましたので、そのときの話が今でもまことしやかにささやかれているのだと思いますが、戦後80年も経とうというこの時代にそんなことを言っているような輩の言うことに耳を傾ける必要はありません。
自己破産をすると、何らかの制限は受けることになりますが、その制限も「破産手続が開始されてから、免責が決定するまでの期間」に限られます。ほとんどの方にとっては、大きく生活に支障をきたすことはないはずです。
破産者が受ける制限
- 資格の制限
- 住む場所の制限
- 破産者名簿に名前が載る(現在は免責されない人のみ)
- 信用情報(ブラックリスト)に名前が載る
- 官報に名前が載る
- 財産が管財人の管理下におかれる(管財事件の場合)
- 郵便物の管理(管財事件の場合)
自己破産する方のほとんどが「同時廃止」といって、管財人を必要としない手続きなので、上のリストのうち、下の2つは関係ありません。
職業によっては、免責が下りるまでは仕事につけない場合がありますが、宅地建物取扱主任者や生命保険の募集員、弁護士、行政書士など、いわゆる人の財産を扱う仕事には就けないことがあります。(免責が下りるまで就けない仕事はこちらに一覧があります。)
この中に、警備員も入っているので、そういう仕事に就いている人はちょっと面倒ですね。あと、法人の役員にもなれません。
住む場所の制限といっても、長期の旅行や引っ越しが免責が下りるまで、できないだけです。
信用情報に名前が載ってしまうことについては、自己破産するような方は、大抵はすでに支払いが滞っていて、すでにブラックリストに載っているでしょうから、これもあまり関係ないでしょう。
破産者名簿というのは、本籍地の市区町村が管理する破産者の名簿ですが、これは第3者の目に触れることはありません。
人の目に触れる可能性のあるものとしては、「官報」ですが、これを読んでいる人は、まずいないでしょうし、手に入れようとしても、裁判所の中とかにしか売っていないので、ほとんどバレることはないでしょう。
というわけで、自己破産をしても選挙権がなくなってしまうようなことはありませんのでご安心ください。