農家の債務整理

ここでは、農業を営んでいる方の債務整理について見てみたいと思いますが、農業法人は会社と同じなのでここではとりあげません。世間一般に言うところの家族経営的な農家の方々のケースについて、見ていきます。

僕は地方に住んでみてわかりましたが、意外と農家って融資だとか、補助金だとか、何かと恵まれていることが多く思われますが、農業を営むための資金も大きくなりがちです。

農家以前知り合った、イチゴ農家のおじさんはハウス栽培用の温室を(確か5棟)建てて5000万円くらいかかったと言っていました。

このイチゴ農家の仲間に数千万円かけて、ハウスを建てたけど失敗してしまい、借金が返せずに自殺してしまった方がいたそうです。

この方がもし債務整理の知識を持っていたら、命までなくす必要はなかったことでしょう。

農家特有の借金事情

多くの農家は、農協のお世話になっていると思いますが、お金だけでなく、農業機械のリースだとか、肥料や資材の代金を分割やツケで購入している場合もあります。

言葉は悪いですが、多くの農家は農協によって足かせをはめられているとも言えると思います。

なので、ほとんどの農家の方は債務整理をしようとしたら、農協との交渉がメインになっていくと思います。

今後の農業を続けるのか否かで対応が変わる

農業を今後も続けるのか、自分の代で終わりにするのか、だんだんと縮小させるのか、スパッと辞めるのかによっても、対応が変わってきますが、暫く続ける意志があるのなら、まずは、借りている金融機関に相談して、毎月の支払い額を低くしてもらうことです。

農業まだ農業を続けるのであれば、「リスケ」(リスケジュール)の交渉をまず検討することになるでしょう。たとえば、毎月10万円ずつの返済があったとしたら、月々5万円に減額してもらい、返済期間の延長するといった借金の組み直しをリスケと言います。

しかし、これは返済期間が長くなるので、一時的には楽になりますが、借入期間が延びる分、利息も付くので借金が増えることになってしまいます。

リスケ以外の選択肢としては、国や県が低金利の借り換え制度を利用する方法もあります。こういった情報は農協に相談すれば教えてもらえるでしょう。

農業を辞める場合

逆に農家を辞める方向で、整理するのであれば、任意整理や個人再生を検討することも考えられますが、この場合は、整理後の支払いをするために安定した収入が見込まれなくてはいけませんので、農業をやめてしまって、収入が閉ざされるのであれば使えませんが、兼業農家で勤めている会社から給料をもらっているのであれば、利用できます。

個人再生は、自営業者向けの「小規模個人再生」とサラリーマン向けの「給与所得者等再生」に分けられますが、小規模個人再生の場合は、「住宅ローンを除いた借金の総額が5000万円以下」という条件があるので、ちょっと規模の大きな農家だと、これを超えてしまう場合もあります。

では、自己破産しか方法がないのかとったら、そうでもありません。借金の総額が5000万円以下になれば、個人再生を利用できるのだから、借金を一時的にでも減らせれば使えるということになります。

具体的な方法は、ここには書けませんが、債務整理が得意な弁護士などに相談すると良いアドバイスがもらえると思います。

もし、自己破産しかないとなったら、家や農地を競売にかけられることになりますが、田舎の農地がそう簡単には売れないと思われます。(ケースバイケースで一概に言えませんが)

競売にかけられても落札されるまでは、無料でその家に住んだり、農地で作物を作ることができます。

場合によっては、競売にかけられた家や農地を親戚に落札してもらって、家賃を払ってまた住み続けるということも不可能ではないでしょう。

地方のことですから、連帯保証人に迷惑がかかれば、いろんな方面から横槍が入ることも想定されますので、そういった部分も考慮しておく必要があるかもしれません。

農家の場合は、特殊な事情が絡んでくることが多いです。素人の手には負えない部分もあるので、専門家のアドバイスを一度受けておくと良いでしょう。

借金革命

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